2026年03月02日
【Weekly No.523】エヌディビの好業績続くか
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- 【エヌディビの好業績続くか】
- 【強い日本は米国にも好機、今こそ日米同盟を深化すべきだ (社説)】
- 【日本が防衛力を強化】
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Weekly 3月2日
【エヌディビの好業績続くか】
米半導体大手エヌビディアの半導体は、人工知能(AI)にとって不可欠だ。したがって、同社が25日に発表した第4・四半期(2025年11月-2026年1月)決算で半導体の販売好調を報告したのは当然と言える。半導体需要が飽くなき勢いで拡大する中、売上高は前年同期比73%増の680億ドルに達した。しかし時価総額が4兆8000億ドル規模の巨大IT企業は、好況が続くのかどうかに投資家が懐疑的になっているという問題を抱えている。
現時点では、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)がもたらした業績にけちをつけ難い。前四半期の粗利益率は75%と驚異的な水準を記録した。メタ・プラットフォームズが前四半期の投資支出を前年同期より約50%増やすなど、世界のIT大手がデータセンターにエヌビディアの機器を詰め込むための狂乱的な競争は、同社が驚異的な価格決定力を持っていることを意味する。
アルファベットが26年の設備投資を最大で1850億ドルに倍増させる方針を表明するなど、このブームはすぐには終わらない。
問題は、エヌビディアが現在の利益水準を維持できるかどうかだ。データセンターには土地と建物、電力、熟練労働者も必要となる。これら全てが予算を膨れ上がらせる。
一方でエヌビディアも供給制約に直面している。不足が顕著になっているのは特殊メモリー分野だ。AI向け半導体の演算能力が、必要とする膨大なデータ処理能力を上回っている。
その結果、生成AI向けのHBM(広帯域メモリー)の価格が急騰。韓国のSKハイニックスは25年のHBMの売り上げが前年の2倍超となった。
これまでのところ、エヌビディアがコストの上昇分を顧客に転嫁できることが、あらゆる兆候から示されている。同社は25日、今後数四半期以上にわたって需要を満たす在庫と生産能力を持てると発表した。しかし、広範にわたる半導体不足は過去6カ月間にさらに深刻化している。部品が「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)並みの供給制約」に直面していると指摘しているユーザーも多い。
この状況が続けば、半導体メーカーが最終的に業界利益のより大きな部分を飲み込む可能性もある。投資家もこれを予想しているようで、エヌビディアの株価が横ばいで推移する一方で、半導体メーカー株は買われている。
より大きな問題は、データセンターの拡張がどれだけ長く、どこまでの規模で続くかに尽きるのかもしれない。これは半導体市場が経験した初めてのブーム、あるいはバブル崩壊ではない。
一例としてSKハイニックスは、新型コロナ禍後の供給過剰によって23年は60億ドルを超える損失を計上した。投資家はこれを織り込んでおり、同社の株価が急騰した後でも、今後1年間の予想利益の5倍でしか取引されていない。
一方、エヌビディアの株価収益率(PER)は24倍だ。過去が前兆であるならば、評価額はさらに収束する可能性がある。結局のところ、両社は半導体の同じサイクルに左右されるのだから。
【強い日本は米国にも好機、今こそ日米同盟を深化すべきだ (社説)】
ホワイトハウスが先の衆議院選での高市早苗首相の勝利を歓迎したのは当然だろう。日本が防衛力を強化し、アジアの平和維持でより大きな責任を担う可能性について国民の信任を得たからだ。だが、それはが同盟を深化させる理由になる。
もっとも、日本の有権者が高市氏の公約のさまざまな側面に反応したことも事実だ。減税や景気刺激策に積極的で、かつ決断力ある成長重視のリーダーとして期待した向きもいる。
あるいは、台湾有事を巡る発言の撤回を迫り、露骨な威圧を強める中国に対して、高市氏の毅然とした対応を評価した有権者もいるだろう。
いずれにせよ、高市氏が自衛隊の予算拡大や武器輸出拡大に向けた制度整備、さらには憲法改正も見据えた防衛力の強化を目指していることは、有権者にとって明白だったはずだ。
【日本が防衛力を強化】
高市氏の勝利は、韓国やオーストラリアなど関係国との連携強化を通じて中国の覇権に対抗するという日本の取り組みを後押しする。すでに一部の国は、日本製の防衛装備品を購入し、自衛隊と共同訓練を実施しているほか、中国本土に依存したサプライチェーンのリスク低減で日本と協力している。
武器輸出規制の緩和は販売を一段と押し上げ、規模は小さいながらも高度な技術を有する日本の防衛産業基盤を強化するだろう。日本が自信を深めれば、フィリピンのようなアジアの小さなパートナー国の権利を守り、中国の経済的威圧への対抗を支える上で、一段と積極的になる可能性が高い。
米国はかねて、日本に対してこうしたリーダーシップを求めてきた。だが、現在のトランプ政権は、少なくとも欧州に関して、米国の関与を減らすために同盟国に対して自国防衛への負担増を迫っている。
米国防総省の新たな国家防衛戦略(NDS)では、中国を抑止するため日本の南西諸島と台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」に強固な防衛体制を構築すると明記したが、トランプ政権がその負担の一部を日本に転嫁しようとの誘惑に駆られる可能性はある。
トランプ大統領が4月に予定される習近平国家主席との米中首脳会談を前に、目立った中国批判を控えていることも、日本の懸念を強めている。
実のところ、これは日米協力を深化させる好機であるはずだ。自衛隊を増強し、能力を一段と強めるにつれ、日本の部隊と装備品が米軍との相互運用性を高めていくよう、米国は確実にすべきだ。
国防総省は計画通り、作戦遂行に当たるより強力な指揮官を日本に配置し、有事に備えこれまで以上に統一された指揮系統の構築を目指す必要がある。
日米は台湾に最も近い沖縄県与那国島での施設整備を継続し、ミサイル防衛の統合も進めるべきだ。地対空誘導弾パトリオットミサイルや迎撃ミサイルSM3といった重要兵器の共同生産を拡大し、米軍艦向けのモジュール建造といった新たなプロジェクトも検討する必要がある。
また日米に豪州とインドを加えた4カ国による枠組み「クアッド」で、サプライチェーンに関する協力を重要鉱物だけでなく、半導体や医薬品、ロボット工学、バッテリーなどにも広げるべきだ。
ワシントンで3月に予定される高市氏とトランプ氏の首脳会談は、日米のパートナーシップを確認し、新たな目標を掲げるチャンスとなる。
交渉の優位性を何より重視するトランプ氏にとって、習氏との会談を前に日米同盟をさらに強固なものにできれば、他のほぼ何物にも代え難い強力な切り札になるだろう。