2026年01月05日
【MONTHLY No.046】大手米金融機関は米株にそろって強気
このレポートが、皆様の資産運用の一助になれば幸いです。
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- 【大手米金融機関は米株にそろって強気】
- 【26年米株は神経質な動きが予想される】
- 【高市政権の長期株価見通し】
- 【26年のヤマ場は国民の審判を受ける解散総選挙】
- 【日本の政策軸は保守へ】
- 【トランプ政権との親和性深まる=株高】
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Monthly 1月号
26年の日米株価の先行きは?
2026年の日米株価見通しは、総じて強気のコメントが多い。特に米国株については、AI投資ブームは2026年も続くとして金利低下やトランプ政権の経済政策を追い風として、強気を崩さない。この1月号では、両市場について掘り下げてみたい。(1月1日、文責 太田)
【大手米金融機関は米株にそろって強気】
米国株の上昇をけん引するAI投資ブームは26年も継続。欧米の金融機関はそろって、米国株の先行きに強気を崩さない。金利低下やトランプ政権の経済政策も追い風だ。ただ、米雇用情勢の先行き懸念を背景に慎重な姿勢も見えつつある。
米株の代表的な株価指数であるS&P500が上昇するとの見方で一致している。12月に発表があった金融大手の見通しでは、米株全体を表すS&P500は8000~7100の範囲だった。12月29日現在のS&P500 は6905だ。
最も高いのは、ドイツ銀行の8000。Aiへの急速な投資と普及が市場心理を引き続き独占し続けるだろうと言及。モルガンスタンレーは7500の予想で、米国株は米国以外の株式をアウトパフォームするとみている。
一方では過剰投資への懸念の声も聞こえ始めている。BofA(バンクオブアメリカ)最も低い予想、7100としているが、足元の環境は企業収益の拡大に裏付けられておりITバブル時代とは異なると指摘している。また、雇用が足元より悪化すれば、消費が崩壊してさらなる雇用削減を促し、リセッションに入るリスクがあると警告している。
多くの市場参加者は4月の相互関税の発表の直後のような急落局面はまた来るのか、変動の大きな相場になることに身構えている。
【26年米株は神経質な動きが予想される】
2026年の米国株は、人工知能(AI)ブームに乗り遅れることへの不安と、AIバブル崩壊への警戒感の間で投資家心理が揺れ動き、当面は神経質な展開が続くとみている。
過去18カ月にわたり、米株市場では大幅な売りと急反発が繰り返されてきた。こうした傾向は年も続く可能性が高く、過去の技術革新と同様に、AIをめぐって過熱と調整を繰り返す展開になると予想するストラテジストもいる。
AI投資ブームの中心にあるテクノロジー企業は、市場に対して過大とも言える影響力を持つ。2025年は、こうした企業群とS&P500指数のその他の銘柄との乖離が拡大し、ハイテク株の上昇が他セクターの下落を相殺する形となった。それが市場全体のボラティリティーを抑える要因となってきた。
もっとも、足元で投資家は半導体関連銘柄のつまずきが波及する事態に警戒を強めている。その場合、「恐怖指数」と呼ばれるボラティリティー指数(VIX)などは急上昇する可能性がある。
2025年は総じて、物色のローテーションが進み、相場を牽引する銘柄が限定される年だった。その結果として個別銘柄同士の連動性は過去最低水準まで低下した。逆に言えば、マクロ要因が再び相場を主導する局面では、VIXが大きく跳ね上がりやすい状況にある。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)による最近の調査では、バブル化への不安がファンドマネジャーの最大の懸念になっていることが明らかになった。一方、相場上昇に「乗り遅れることへの恐怖(FOMO 、「Fear Of Missing Out」の略で、 取り残されることへの恐れを意味する心理状態、)」もある。
ストラテジストは、資産バブルは膨らむほど不安定になりやすいことから、2026年は株式市場でボラティリティーが高まりやすいとみている。10%を超える下落が時折起きる一方で、バブルがまだ崩壊していないと市場が認識するたびに急反発が起きる可能性があるという。
2026年のVIXは中央値が16-17程度にとどまる一方、リスクオフ局面では急上昇するとみている。12月29日現在のVIXは14.20。
【高市政権の長期株価見通し】
一方、激変する世界の中で最も大きく変わろうとしているのが日本である。日本初の女性首相 高市政権の誕生だけではない。新政権は保守革命を遂行しようとしている。これまでの自公連立はリベラル中道連合 (憲法改正やスパイ防止法、防衛力増強などを後回しにして LGBT法や選択的夫婦別姓などリベラル政策と財政健全化路線を推進)と言えるものだった。それに対して自民維新の新連合は保守連合(改憲、自主防衛、積極財政)と言え、 これは保守革命ともいえる基軸の大旋回である。中国の異常とも見える対日威圧も、日本の保守革命に端を発している。 この大変化は、日本株式にとってプラスであると考えられる。
目先は高市政策の本領が未だ見えてこないこと、中国の異常な対日批判などにより踊り場が続くが、国内経済の浮揚感と高市政権の長期政権化が見えてくれば騰勢を再開する可能性が高い。年率10~13%成長趨勢が続くと考えれば、机上の計算だが、日経平均が10万円には2031年か遅くとも2033年に到達、2035年には12万から16 万円に達すると計算される。10%成長とは、それほど大きな数字ではない。過去3年間の日経平均の年間騰落率は、23年が28.2%、24年が19.2%、そして25年が26.1%だった。
もともと日本株は1)超割安(株式益回り5.6%、配当利回り 2.4%、国債利回り1.9%、預金金利0.2~0.5%と株のリターンが圧倒的に高い)、2)超 好需給(個人、外国人、年金、企業の潜在的株式需要甚大)、に加えて株高に必須の、3)株高ストーリーが、高市保守革命で整う。国内・海外全投資家層はFOMO(日本株を持たざるリスク)を痛切に感ずることになるだろう。
【26年のヤマ場は国民の審判を受ける解散総選挙】
2026年のヤマは解散総選挙であろう。高市首相の支持率は空前、特に若年層の支持率 は8割と圧倒的であるが、少数与党で政権運営は不安定である。また、今回の政変劇は選挙の洗礼を経ておらず国民の信任を得ているとは言えない。これほどの路線転換がなされた以上、国民の審判を受けるのは当然である。加えて国家安全保障問題が最大関心事として浮上した。
【日本の政策軸は保守へ】
中国は11月7日の高市首相の国会答弁を、日本が台湾有事に介入する姿勢を見せたと難をつけて、強烈な対日嫌がらせと答弁撤回(=台湾有事不介入の約束)を求めている。日本は対中宥和を継続するべきか、現実主義にシフトするべきかの選択を迫られている。それは戦後の「戦力放棄を伴う絶対平和主義」の幻想からの目覚めの過程でもある。 高市首相は積極財政とともに、国家安全保障戦略を争点に押し立てて、解散総選挙に打って出ざるを得なくなる。選挙では対中宥和を唱えるリベラル勢力が敗れ、日本の政策軸が保守・ナショナリズムと積極財政に傾く可能性が強い。
個人消費の引き上げによる潜在成長率回復、2026年の高市政権の課題は国民生活の向上、消費の回復により日本の潜在成長率を押 し上げることである。アベノミクスは最も困難な企業の稼ぐ力を取り戻し、外国人投資家 から非難されていた企業統治・コーポレートガバナンス改革を成し遂げた。企業利益2.5 倍、株価4倍という一番難しいことを達成したのに、肝心の国民生活は全く改善していない。実質家計消費は2014年1Q(消費税増税直前)以降10年以上にわたってマイナス 状態が続き、直近でもピーク時比-4%である。2012年に成立した「社会保障と税の一体改革」による、社会保険料引き上げと2度の消費税増税で打撃を受けたためである。振り返れば、1980年代は日米貿易摩擦が過熱し、「ジャパン・バッシング」といわれた時代であり、その後、日本経済は「失われた30年」と呼ばれる長期低迷期へ突入した。
【トランプ政権との親和性深まる=株高】
トランプ政権が国際主義に背を向ける理由の一つは、米国民の多くが、戦後の世界秩序の維持に疲れ果てていることだと思う。2024年、当時の岸田首相が米議会での演説で。米国が一人で世界秩序の維持に尽力してきたことに感謝し、これからは日本も一緒だと訴えたのだ。この演説を契機に、中国を封じ込めていく上で日本は信頼に足るパートナーだと、超党派の認識が強まっている。
2024年、トランプ氏を再選に導いた「トランプ現象」の核心は新自由主義の破壊にあった。新自由主義とは、人種、国籍、性別などの属性に関係なく、各個人が国境を越えてボーダレスで薦めることを志向した。一方、トランプ氏が選挙戦でスローガンとした「MAGA」は国際主義に対し、米国という国境を取り戻すことだ。
高市氏は、日本の伝統的な価値観を重んじる右派指導者として認識されている。「国際主義vs自国主義」という視点でもトランプ氏との親和性が高い。
思えば、クリントン大統領時代の1990年代、日本経済は長期低迷の入り口にあった。強烈な円高で業績はもちろん株価も低迷した。それが、今や高市政権になって、トランプ政権との親和性が高まれば、高まるほど、株価にとってプラスとなるだろう。
2026年はそれがもっとわかる年になりそうだ。