2025年12月22日
【Weekly No.515】日銀が0.75%に利上げと30年ぶり水準
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- 【日銀が0.75%に利上げと30年ぶり水準】
- 【円売り加速し1カ月ぶり安値、日銀会合後に売り膨らむ-157円台半ば】
- 【片山大臣、急速な円安をけん制】
- 【経済指標軒並み公表、米コアCPIは予想外に鈍化、4年ぶり低い伸び】
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Weekly 12月22日
【日銀が0.75%に利上げと30年ぶり水準】
日銀は19日の金融政策決定会合で30年ぶりの高水準となる0.75%程度への利上げを全員一致で決めた。今後も政策正常化路線を継続する。会合結果を受けて長期金利は2%を突破し、約26年ぶりの水準に上昇した。
政策金利の無担保コール翌日物金利の誘導目標を従来の0.5%程度から0.25ポイント引き上げた。新日銀法施行前の1995年以来の高水準となる。利上げは1月以来で、植田総裁の体制で2024年3月にマイナス金利を解除して以降では4回目となる。
今後の金融政策運営について、現在の実質金利は「極めて低い水準にある」と指摘。日銀の経済・物価見通しが実現していけば、その改善に応じて利上げで金融緩和の度合いを調整していく方針を維持した。利上げ後も緩和的な金融環境が維持されるとし、「引き続き経済活動をしっかりとサポートしていく」とした。
日銀による金融政策の正常化が約1年ぶりに再開したことで、今後の利上げペースと昨年からの利上げ局面における最終到達点(ターミナルレート)が焦点となる。植田総裁が午後の記者会見で、先行きの金融政策運営についてどのような見解を示すかに注目が集まっていたが、言及しなかった。
大方の見方は、次の利上げを行っても緩和的な金融環境が維持されており、「次の利上げも正当化するような内容だ」。半年に1回程度のペースを予想しており、植田総裁が会見で、中立金利についてどれだけ踏み込むかがターミナルレートを占う上でのポイントだとみていたが、肩透かしだった。
市場では日銀が景気を刺激も抑制もしない中立金利に関する新たな分析を公表するかを注目していたが、見送られた。日銀はこれまで中立金利が1-2.5%の範囲にあると説明していた。
植田総裁は4日の国会で、中立金利水準の推計にはかなり広い幅があるとし、常に狭める作業を続けていると答弁した。その上で「今後うまくそういうことができたら適宜公表していきたい」との考えを示していた。
事前予想通りの結果を受けて、長期金利(新発10年国債利回り)は2.015%と1999年8月以来の水準に上昇した。円は対ドルで156円台に下落した。日経平均は4万9700円台まで上昇幅を拡大したが、その後は伸び悩んでいる。
日銀は利上げの理由について、米国経済や各国通商政策の影響を巡る不確実性は引き続き残っているものの、「低下している」と説明。26年春闘に向けた労使の対応方針や日銀本支店を通じたヒアリング情報などを踏まえると「今年に続きしっかりとした賃上げが実施される可能性が高い」とした。
政策判断で重視する基調的な物価上昇率が、27年度までの見通し期間後半には2%の物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移するという「中心的な見通しが実現する確度は高まっている」との見方を維持した。
事前予想通りの結果を受けて、長期金利(新発10年国債利回り)は2.015%と1999年8月以来の水準に上昇した。また、日経平均も501円高に反発。
【円売り加速し1カ月ぶり安値、日銀会合後に売り膨らむ-157円台半ば】
日銀は30年ぶりの高水準となる0.75%への利上げを決めた。植田総裁は今月1日、次の利上げの際には中立金利についての考えを明示すると述べたが、19日の会見で踏み込んだ発言はなかった。市場では追加利上げの時期は不透明と受け止められ、円安が進んでいる。
NY時間19日午前の外国為替市場で、円売りが進んでいる。日本銀行の植田和男総裁が金融政策決定会合後の記者会見で、追加利上げに慎重姿勢を示したと受け止められた。
円は対ドルで一時、前日のニューヨーク終値比1.2%安の1ドル=157円48銭を付けた。ほぼ1カ月ぶりの安値で、下落率は10月上旬以来の大きさとなった。
【片山大臣、急速な円安をけん制】
片山財務相が、円安傾向に歯止めがかからない足元の為替動向について「この半日、数時間は一方的で急激な動きがあるので憂慮している」と発言した後、円はやや下げを縮小する場面もあった。
片山財務相は日本時間19日夜、円安傾向に歯止めがかからない足元の為替動向について「この半日、数時間は一方的で急激な動きがあるので憂慮している」と述べた。日本銀行が同日の金融政策決定会合で利上げを決定した後に進んだ円安をけん制した。
主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議をオンラインで開催した後、省内で記者団の取材に応じた。円安を巡っては「行き過ぎた動きに対しては適切に対応を取っていく」と強調。G7会合では為替に関する議論は全く出なかったと明かした。
日銀は30年ぶりの高水準となる0.75%程度への利上げを全員一致で決めた。市場では長期金利(新発10年債利回り)が2%を超えて1999年以来の高水準に上昇した。前述した様に、円相場は植田総裁の決定会合後の会見を受け、追加利上げの時期が不透明と受け止められ、1ドル=157円台前半まで円安が進んだ。
米国の利下げと日銀の利上げでも円高に振れない為替動向がファンダメンタルズを反映していると言えるかどうかが今後の焦点となる。
片山財務相は日銀の決定について「2%の物価安定目標の持続的、安定的な実現のためになされたものだと評価している」と発言。一方で、足元の為替動向に対する認識を問われると「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい為替の問題としては、ちょっとなぁと思っている」と述べた。
片山財務相は日米財務相共同声明に沿って適切に対応する考えを11月の会見で示していた。共同声明は、為替介入は過度な変動に対処するためのものに限定すると明記している。為替の動きがファンダメンタルズからかい離したとみなされる場合は、介入が正当化されることになる。
個人的には、そろそろ、介入を実行したらどうかと思う。高市政権が目指す物価安定もたらすにも、さらに株式市場は円高に耐性が出来つつあるため、為替の投機筋の動きを制する必要がある。19日の東京為替市場を見る限り、今の為替市場はあまりにも投機的になっている。片山大臣もそろそろ実行しないと、投機筋からもなめられることになるかもしれない。
【経済指標軒並み公表、米コアCPIは予想外に鈍化、4年ぶり低い伸び】
18日発表の11月のCPI(米消費者物価指数)統計で、基調的なインフレ率は市場予想に反して鈍化し、2021年3月以来の低い伸びとなった。根強い物価高から一息ついた格好だが、政府閉鎖の影響で統計にはノイズが含まれている。 過去最長に及んだ連邦政府閉鎖の影響で、発表元のBLS(労働統計局)は10月の価格データの多くを収集できなかった。そのため、11月のインフレについて、前月比の変化を把握するのに制約が生じた。一部のエコノミストはそれだけでなく、11月の前年同月比の数値にも影響が及んだ可能性があるとの見方を示している。米労働省が発表した雇用統計によると、非農業部門雇用者数は10月に政府支出削減の影響で減少した後、11月は6万4000人増加した。一方、11月の失業率は労働市場の弱含みで4.6%と、4年超ぶりの高水準となった。また、 同日発表の米商務省が発表した10月の小売売上高(季節調整済み)は前月から横ばい。エコノミスト予想は0.1%増だった。
多くの留意点はあるものの、今回の統計は、これまで続いてきたインフレ圧力が和らいでいるとの一定の期待を与えるものとなった。
BLSによれば、11月までの2カ月間にコアCPIは0.2%上昇にとどまった。ホテル宿泊費や娯楽、衣料品の価格が下落したことで伸びが抑えられた。家具調度品やパーソナルケア商品は値上がりした。
しかし、CPIで比重の大きい住居費の主要項目が、この2カ月間にほぼ横ばいとなっていることに、一部のエコノミストは疑問を呈している。
金融政策の影響として、今回の統計については割り引いて受け止めているが、インフレ鈍化を示す実質的なシグナルも含まれている。1月の米利下げの可能性は高まった。2026年に連邦準備制度理事会(FRB)は100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを行うと、と分析される。
今回のCPI統計がFRB当局者の政策判断に影響を与えるかは不明だ。パウエル議長は過去最長に及んだ政府閉鎖により、CPIデータには恐らくゆがみが生じているとの認識をこれまでに示している。
CPI発表後、18日のS&P500種株価指数は上昇して始まった。米国債利回りは低下する一方、ドル指数は下落した。
今週はクリスマスラリー(クリスマス前後から年始にかけ)が始まるかが、注目されている。この25年の12月のS&P500の騰落率は25回中17回上昇している。