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2025年12月15日

【Weekly No.514】オラクルにも迫る「非常事態」、OpenAIと一蓮托生

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  1. 【オラクルにも迫る「非常事態」、OpenAIと一蓮托生】
  2. 【12日、米国株大幅続落】
  3. 【ノムラ、2026年の主要取引として円買い・ドル売りを推奨】
  4. 【米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の可能性も】
  5. 【12月の日銀利上げ再開を全員が予想、ペースは半年に1回】

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Weekly 1215

【オラクルにも迫る「非常事態」、OpenAIと一蓮托生】

11日午前の米国株式市場で、ハイテク株の多いナスダック総合は一時、1週間ぶりの安値に下落した。前日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でタカ派色が薄れたとの楽観的な見方が広がっていたが、米IT大手オラクルの決算に絡み、巨額の人工知能(AI)投資計画を巡る懸念がこれを相殺した。

この日オラクルは約12%安。10日発表した第2・四半期決算は、売上高や営業利益、将来のクラウド契約といった注目指標がいずれも市場予想に届かなかった。これを受け、AI関連企業の収益化のペースが期待されていたほど速くないとの懸念が再燃した。

オラクルの最新決算は、人工知能(AI)向けインフラ構築が財務を圧迫しないという安心材料を求めていた投資家にとって、決して好ましい内容ではなかった。ウォール街でAIリスクのバロメーターと目される同社が示したのは、四半期で100億ドルに達する現金や設備投資の大幅増など、歓迎しがたいサプライズの数々だった。

さらに懸念を呼ぶのは、極めて単純な2つの疑問にオラクルが十分に答えられなかったことだ。最終的にこの巨額投資は一体どこまで膨らむのか。そして、基幹顧客であるOpenAIが支払い不能に陥った場合、何が起きるのかだ。

創業から約50年の同社は、当初こそクラウド対応で競合他社に出遅れたものの、いまやアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトに追いつこうと、巨大なAIデータセンターを整備する猛スピードの拡張に踏み切っている。

同社はこうして整備した計算能力を外部に貸し出しているが、この事業は他部門に比べて利幅が薄い。理由の一つは、エヌビディア製の高価なAIチップを使うため減価償却費がかさむことだ。同時に、アマゾン、マイクロソフト、グーグルといった「ハイパースケーラー」ほど財務基盤やキャッシュフローが盤石というわけでもない。競争するには、数百億ドル規模の借り入れが必要になる見通しだ。

同社はリース債務を含めた純負債がすでに約1050億ドルに達しており、投資適格債を発行する企業の中でも、高水準の債務負担を抱える側に近づきつつある。

こうした厳しい現実を踏まえ、オラクルのデフォルト(債務不履行)リスクを反映するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは急上昇している。まだ極端な水準ではないが、警戒感は強まっている。株価は、AI関連受注急増を発表した後の9月の大幅上昇分をほぼ吐き出した格好だ。

 

【12日、米国株大幅続落】

12日の米国株式市場は大幅安。人工知能(AI)向けの電力需要拡大が追い風になるとみられる銘柄が売り込まれている。前日引け後にブロードコムが発表した決算で、AI関連の売上高見通しが投資家の高い期待に届かなかったことが嫌気されている。引け値はNYダウが245ドル安、0.51%の下落。S&P73ポイント安の1.07%下落。ナスダックはさらに大きく398ポイント安の1.69%下落。半導体株指数(SOX)はなんと5.10%下落しちる。このためシカゴの日経平均先小野は前日の東証比800円以上下げている。

また前述のオラクルがOpenAI向けに進めているデータセンター計画の一部について、完成時期を2027年から2028年に延期したとの報道も材料視されている。

延期報道を受けて、発電関連株ではコンステレーション・エナジー、ビストラ、オクロ、ニュー・スケールが軒並み下落。キャタピラーやGEベルノバ、バーティブ、アンフェノール、イートン 、カミンズ、ブルーム・エナジーなど、電力設備やデータセンター向け製品を手がける銘柄も売られている。

 

【ノムラ、2026年の主要取引として円買い・ドル売りを推奨】

ノムラ・インターナショナルのストラテジストは、円安が日本政府の政策にとって「アキレス腱」になる場合、日本当局が長期的な円安を容認しない可能性があるとして、2026年にかけて円買いを推奨した。266月までに14250銭を目標に、現行水準から約9%の円高を見込む。

ノムラのクレイグ・チャン、ドミニク・バニング両氏は11日に公表した年次見通しで、「今後数カ月も円はじり安の展開が続くとみているが、円ロングは他地域でのテールリスク(まれにしか起こらないはずの想定外の暴騰・暴落が実際に発生するリスクのこと)に対する良好なヘッジ手段となる。円安には今後、国内からの抵抗が強まる可能性もある」と記した。

ノムラは円の下支え要因として、円安が続けば、物価上昇圧力が根強い中で高市内閣による追加財政出動の余地が制限される可能性があることを指摘。日銀の金融引き締めにより、金利差が縮小し、円を調達通貨としたキャリートレードの魅力が低下する見通しも挙げた。日米の金利差は26年末までに75ベーシスポイント(bp1bp0.01%)縮小し、250bpになると予測している。

円の他の支援材料として、エネルギー価格の軟化に伴い鉱物性燃料の輸入が減少し、貿易収支が改善することを指摘した。テクノロジーや人工知能(AI)関連の投資ポジションの巻き戻しなど、外部要因によるリスクへのヘッジ手段として円の魅力があり、特に円のボラティリティーが株式相場と比べて相対的に抑えられている点を挙げた。

ノムラは対円でのドルについて、2026616日満期で権利行使価格1ドル=14250銭の6カ月デジタル・プットの購入を推奨している。現在の15502銭から約9%の円高を見込む戦略だ。

 

【米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の可能性も】

米労働省が11日発表した12月6日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は236000件と、前週から44000件増加し、約4年半ぶりの大幅増となった。エコノミスト予想の22万件も上回った。

ただ、急増は年末にかけての季節調整が難しくなっていることを反映したもので、労働市場の状況に実質的な変化があったわけではないとの見方が出ている。

その上で、根本的な基調は何も変わっておらず、強いて言うなら新規失業保険申請件数は長期トレンドをわずかに下回って推移しており、これは、FRB(米連邦準備理事会)パウエル議長の『労働市場は不安定』との見方を覆すデータの一つと言える。

4週間移動平均は2000件増の216750件。エコノミストらは、大手企業の一時解雇(レイオフ)が相次ぐ中でも、労働市場が依然として採用も解雇も少ない「低採用・低解雇」の状態にある。1129日までの1週間の継続受給件数 (季節調整済み)は99000件減の1838000件だった。

 

【12月の日銀利上げ再開を全員が予想、ペースは半年に1回】

日銀が今週開く金融政策決定会合では、今年1月以来となる約1年ぶりの利上げが決まると全ての日銀ウオッチャーが予想した。6割超がその後の利上げペースを半年に1回程度とみている。

エコノミスト50人を対象に5-10日に行った調査によると、1819日の日銀会合では現在0.5%程度の政策金利を0.75%に引き上げると全員が見込んでいる。植田和男総裁の下で、全回答者が利上げを予想したのは初めて。

市場の関心はその後の利上げペースに移っており、最多の64%が半年に1回程度と回答。次いで1年に1回程度の予想が21%だった。

植田総裁は1日の講演で、今月の会合において「利上げの是非について適切に判断したい」と踏み込んだ。今回の会合の焦点について、「今後の利上げペースと利上げ余地に関する情報」。これに関連して、景気を刺激も抑制もしない中立金利の推計値のレンジを修正してくるかも注目だ。

日銀が集計した自然利子率の推計に基づけば、2%の物価安定目標が実現する下での中立金利は1-2.5%に分布している。今会合で日銀が政策金利を0.75%程度に引き上げた場合、レンジの下限に近づくため、先行きの利上げ余地を探る上で市場の関心が高まっている。

植田総裁は1日の記者会見で、中立金利と政策金利の間にどのくらい距離があるかは、次回利上げの際に「もう少しはっきりと明示する」と発言。4日の国会では、中立金利のレンジについて、狭める作業がうまくいけば「適宜公表していきたい」と答弁した。

中立金利の推計レンジが大きく変わることはないが、日銀はその解釈方法を変えてくる可能性がある。2%の物価安定目標の達成確度が一段と高まっていることなどから、レンジ内でより高い水準を模索する意向を示すだろうとの見方もある。

日銀が今会合で中立金利に関して新たな情報を示すかを聞いたところ、47%のエコノミストが「はい」と回答。「いいえ」は30%だった。具体的な中立金利に関しては中央値が1.5%程度となった。今利上げ局面での最終到達点(ターミナルレート)の中央値は1.25%となり、前回の10月調査の1.0%から上昇した。

日銀が中立金利に向かって利上げを続けられるかは、金融緩和を重視するとみられている高市早苗政権の対応に左右されるとの見方もある。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、高市政権の日銀利上げに対する姿勢は「積極的支持ではなく、消極的容認と思われる」という。こうした政治との関係を踏まえ、今月会合における利上げ後の1%への引き上げは2026年秋にずれ込むとみている。

植田総裁が1日の講演で今月利上げの可能性を明確に示唆したことの背景について、エコノミストの81%は円安が主な要因であると回答した。高市政権が利上げを容認する上で、主な理由は円安だとする見方は98%に達した。

高市政権が新設した日本成長戦略会議のメンバーは、「政府と日銀のコミュニケーションはぎくしゃくしている」と指摘する。今月利上げを行うと1月の連続利上げは想定できないため、「円安の勢いが増すリスクを高める」とみている。