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2025年09月22日

【Weekly No.502】FOMCが25bp利下げ、6会合ぶり

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  1. 【FOMCが25bp利下げ、6会合ぶり】
  2. 【FRB は年内0.25%を2回、毎年0.25%づつ利下げ予想】
  3. 【米経済支える個人消費、富裕層依存が鮮明に】
  4. 【FRBが今利下げする理由-米経済の多くの部分が既にリセッション状態】
  5. 【日銀ETF 売却を決定。異次元緩和から脱却】

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Weekly 922

【FOMC25bp利下げ、6会合ぶり】

FOMC(米連邦公開市場委員会)は1617両日に開いた定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることを決定した。利下げは昨年12月以来6会合ぶりで、トランプ2期目政権発足後で初めて。雇用情勢の弱さを示す兆しに対応し、年内は着実に利下げを実施していく方針を示した。

パウエルFRB議長は関税によるインフレ懸念から今年据え置いてきた政策金利を巡り、今回引き下げに踏み切る時期だと判断した理由として、労働市場に軟化の兆しが強まっていることを挙げた。

会合後の記者会見でパウエル議長は、「労働需要は軟化し、最近の雇用創出ペースは失業率の安定維持に必要な水準を下回っているようだ」とし、労働市場が「非常に堅調」だとは「もはや言えなくなった」と述べた。

今回の決定はFRBにとって異例の局面で下された。トランプ大統領は今週、注目されていた今回のFOMC会合を前に、理事1人の解任に向けた法廷闘争を続けたほか、自身の経済顧問トップをFRBに送り込んだ。トランプ氏は大幅な利下げを要求し、FRBへの影響力拡大を狙っている。

FRBのクック理事と、新たに理事に就任したマイランCEA(大統領経済諮問委員会)委員長はいずれも今回の会合に出席した。マイラン氏は理事の任期中、CEAの職務を無給休職とする。今回の会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4-4.25%となった。今回の利下げは賛成11、反対1で決定。FOMCは今年に入り5会合連続で政策金利を据え置いてきた。

反対票を投じたのは新しく就任したマイラン理事のみで、より大幅な0.5ポイントの利下げを主張した。

パウエル議長は会見で、関税に伴うインフレ圧力への懸念が続いていることも示唆。「われわれの責務は、物価水準の一時的な上昇が持続的なインフレの問題にならないようにすることだ」と語った。今後の追加利下げ見通しについては、FOMCは現在のところ「会合ごとに判断する状況にある」とし、慎重な姿勢を示した。

 

【FRB は年内0.25%を2回、毎年0.25%づつ利下げ予想】

FRB(米連邦準備理事会)が17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で公表した金利・経済見通しによると、政策担当者は年内に計50ベーシスポイント(bp)の追加利下げを実施する可能性が高いと予想している。今回の見通しでは、FRB内部で幅広い意見の相違があることも示された。

金利・経済見通しによると、政策担当者19人のうち1人が年末の政策金利を4.4%とする予想を示した一方、別の一人は2.9%と予想。前述したようにミラン新理事が唯一、25bpの利下げに反対し、50bpの利下げを主張した。50bpの追加利下げに対する中央値予想は、前回6月よりも高まった。

また、6人は年内の追加利下げは予想しておらず、2人は25bpの利下げ1回のみが必要だとした。9人は年内に25bpの追加利下げを2回実施すると予想した。

今後2年間、毎年25bpの利下げが実施されるとの中央値が示された。来年末の政策金利の予想値は2.6-3.9%。一方、失業率については、12月までに4.5%、来年末には4.4%になるとの中央値が示された。

 

【米経済支える個人消費、富裕層依存が鮮明に】

米国では富裕層の支出が個人消費全体に占める割合が拡大を続けている。雇用の伸びが鈍り、他の所得層の慎重姿勢で景気減速懸念が強まる中、経済の強さに偏りが目立ってきた。

所得分布上位10%の消費者による支出は4-6(第2四半期)に消費全体の49.2%を占めた。1-3月(第1四半期)の48.5%から上昇し、1989年以降で最高水準となった。

こうした状況は、雇用の大幅な減速、債務返済の延滞増加、多くの世帯を圧迫する根強いインフレといった逆風下でも、米経済が持ちこたえてきた背景を物語る。先週公表された雇用統計の年次改定では、今年3月までの1年間の雇用増加が従来発表の半分程度に下方修正された。一部のエコノミストは、米経済の屋台骨である消費の重心が富裕層に偏り続けている傾向に警戒を強めている。他のリスクが高まるなか、景気拡大の持続性を揺るがしかねないとの見方だ。

彼らが何らかの理由で支出に慎重になれば、経済はリセッション(景気後退)に陥る可能性が大きい。その引き金の一つとして、株価下落がある。株式市場は過去最高値圏にあり、不動産価格も高止まりしている。富裕層の純資産は増加しており、こうした資産効果が消費意欲を下支えしている。

一方で雇用の悪化で労働市場が分岐点に近づき、一段の悪化に向かうとの懸念が市場では広がっている。

 

【FRBが今利下げする理由-米経済の多くの部分が既にリセッション状態】

米国が既にリセッション(景気後退)に陥っていると断言するのは少し早いかもしれない。しかし、経済全体に当てはまらないにせよ、米国の広い地域や層では既に後退局面にあるといえる。

FRB(米連邦準備制度理事会)がどの程度利下げを行うかが焦点となっているが、そもそもなぜ利下げが急務とされるのかを理解する必要がある。

就労時間を増やしたい、またその必要があると考える就労者の比率(不完全就業率)上昇、若年層や黒人の失業率上昇といった指標は、多くの世帯が既に深刻な経済的困難に直面していることを示している。これらは典型的に景気後退の先行指標とされる。さらに消費者調査などのソフトデータも、今後12カ月以内に景気後退が到来すると示唆する結果を示している。

ではなぜ米経済全体は持ちこたえているのか。前述した様に所得上位10%の富裕層が現在、米国の個人消費全体のほぼ半分を占めているためだ。富裕層の状況は良好だ。

最終的に、巨額の財政赤字と人工知能(AI)関連支出が、米経済全体を景気後退から守る要因となる可能性がある。これが続く限り、株式の強気相場は維持される見通しだ。ただし局地的には深刻な経済的苦境が残り続ける。

 

【日銀ETF 売却を決定。異次元緩和から脱却】

日本銀行は19日の政策決定会合で政策金利を5会合連続で据え置く一方、保有する上場投資信託(ETF)の売却を決定した。簿価ベースで37兆円に達する異次元金融緩和の遺産は植田日銀総裁にとって解決が必要だった課題の一つで、今後訪れる日銀の売り圧力を警戒した19日の株式市場では日経平均株価が一時800円以上急落した。引けは257円安。

市場関係者のほとんどが現状の金融政策を据え置くと予測した19日の会合で、株式・金融市場にとっては2つのサプライズがあった。一つはETFの市場での売却決定であり、もう一つは田村、高田両審議委員が0.75%程度への利上げを提案したことだ。これは反対多数で否決されたが。

日銀の説明では、ETFの売却ペースは簿価で毎年3300億円程度(時価で6200億円程度)、市場全体の売買代金に占める割合は0.05%程度。日銀の損失発生と市場にかく乱的な影響を及ぼすことを極力回避する点を処分の基本方針とした。保有総額は3月末時点で時価約70兆円。計算上の市場への影響は極めて小さいが、日銀が鳴らした売却のスタートに日本株市場は反応した。

一方、2人の審議委員の提案は反対多数で否決されたものの、市場関係者は日銀が追加利上げのタイミングを依然うかがう姿勢を示したものと受け止めている。日銀会合で2人の審議委員が反対票を投じたのは極めて珍しく、タカ派的な印象を与えたようだ。

ETFの売却がきょうの投資家心理を揺さぶったのは事実だが、8月以降に関連報道や発言が相次いだため、真の意味でサプライズだったかどうかは判断が分かれるところだ。現に19日の日経平均は257円安まで下げ幅を縮めて取引を終えた。

氷見野福総裁は2日の講演で、ETFの処分は銀行保有株の売却の知見を生かして検討したいと発言し、ロイターは11日に日銀が水面下で検討を進めていると報道している。しかし、年3000億円から2兆円程度の売却なら市場は十分吸収可能との見方もある。

ただ、石破茂首相の退陣で自民党総裁選が来月4日に行われるなど政治情勢が不透明となるため、具体策の発表が想定よりも早くなった可能性はある。

日銀によるETFの買い入れは資産デフレ対策、2%の物価安定目標を達成するため、白川総裁時代の2010年に始まり、13年に就任した黒田総裁の下で進められた異次元緩和政策で一気に購入規模が拡大した。16年には最終的な年間買い入れ額が6兆円にまで膨らんだ。

日本株全体の7%を日銀が持つ異常な状況となったことに対し、市場では「官製相場」との批判や出口戦略に転じた際に需給面で株式相場に大きなマイナスの影響が及ぶ副作用への懸念が指摘されていた。10年にわたる異次元緩和に終止符を打つことが課題となった植田総裁は24年3月、17年ぶりに政策金利を引き上げると同時にETFの新規購入を停止した経緯がある。

日銀が保有するのは主にTOPIX(東証株価指数)や日経平均に連動するETF。長期間にわたり両指数のETFを買い入れてきたが、一部の時価総額上位銘柄の影響力が大き過ぎる日経平均型には以前から問題視する声があったため、21年以降はTOPIX型のみに限定した。

日銀のETF売却は今後両指数の構成銘柄の株価にとって押し下げ圧力となるが、特に日経平均に占めるウエートの大きい銘柄に対する警戒感が株式市場では高まっている。日経平均の225銘柄はTOPIXにも採用されており、二重の売り圧力を受けるからだ。

19日の取引では、日経平均への寄与度が大きい「ユニクロ」や「GU」ブランドの衣料品を展開するファーストリテーリングが一時6%以上下げた。同日の日経平均下落率上位で、時価総額が大きいのはSMCTDK,リクルートHD,ソニーグループ第一三共、テルモ、ファナックなど。これらの銘柄は日銀がETFを買っていたときに最も恩恵を受けていた銘柄。