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2025年09月29日

【Weekly No.503】米経済指標堅調で円は149円台へ

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  1. 【米経済指標堅調で円は149円台へ】
  2. 【円高は4月の139円で終わったのか?】
  3. 【AI投資】
  4. 【AI巨額投資を巡り、莫大な資本破壊の危険性に警鐘する投資家】

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Weekly 929

【米経済指標堅調で円は149円台へ】

米商務省が25日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比3.8%増と、改定値の3.3%増から上方改定された。輸入の減少と個人消費の増加に押し上げられた。ほぼ2年ぶりの大幅な成長率となったが、貿易政策を巡る不透明感が残ることから勢いは鈍化しているとみられる。市場では3.3%増で改定はないと予想されていた。企業が人工知能(AI)を中心とした知的財産製品への投資を拡大したことも支えとなった。

現在のFRBの金利水準は経済を減速させておらず、労働市場にも悪影響を与えていないこと(後述する新規失業保険申請数から)は明らかになった。経済は極めて安定している。  

GDP上方修正の大部分は、経済の3分の2以上を占める個人消費の大幅な上方修正によるものだった。消費は2.5%増と、前回発表の1.6%増から上方修正された。企業の設備投資の伸び率も、前回発表の7.4%か8.5%に上方修正された。

同じ日に発表された米新規失業保険申請件数は減少し、7月中旬以来の低水準となった。

9月20日までの1週間の新規失業保険申請件数は1.4万件減の21.8万件となり、市場予想は22.5万件。

これは企業が依然としてレイオフには消極的であることを示唆し 新規申請件数の減少は、労働市場が減速傾向にある中でもレイオフは限定的にとどまっていることを示している。景気の不透明感を受けて企業の多くは採用活動を抑えているものの、人員を維持する姿勢を示している。

なお、日本時間26日朝方発表の全国の先行指標となる9月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前月から伸びが横ばいとなった。コアCPIは前年同月比で2.5%上昇した。3%割れは3カ月連続となる。市場予想は2.9%上昇だった。総合指数は2.5%上昇と伸びが変わらず。市場予想は2.8%上昇だった。日本銀行が目標とする2%を上回るのは11カ月連続。

日本時間の26日早朝の外国為替市場の円相場は1ドル=149円台後半と約2カ月ぶり安値圏で推移。米国市場で堅調な経済統計が相次いだことを受けて、米長期金利が上昇しドル高が進んだ。

米経済統計が強く米金利上昇でドル買いの流れ。FRB(米連邦準備制度理事会)高官からのインフレに対する不安を示唆する発言や地政学的リスクで、安全資産としてもドルが買われたようだ。

ドル・円は14990銭台前半まで上昇したが、150円を一気に突破して、トレンドが変わるような強さはまだ材料的にないとみている。この日発表予定の東京都区部消費者物価指数(CPI)で強い数字が出れば「日本銀行の利上げ期待が高まり、ドル買い・円売りがいったん落ち着く可能性があったが、コアCPI が横ばいで円売りにつながった。

26日、米商務省が発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇した。7月の2.6%上昇から若干加速し、市場予想と一致した。インフレは加速しているものの、支出は底堅く、米経済が第3・四半期も堅調を維持している兆候を示唆した。8月の米個人消費支出(PCE)統計では、消費支出が市場予想を上回る伸びとなり、個人消費の堅調さが示唆された。基調的なインフレ圧力を示すコアPCE価格指数は前年比2.9%上昇、前月比0.2%上昇で、伸びはともに7月と同じだった。

インフレの高止まりが再び示されたが、米個人消費支出(PCE)データは全体的に想定内の範囲だった。そのため現状が維持され、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内あと2回の利下げを予想通り実施するとの見方が投資家に安心感を与えている。

足元でFRBにとって2%のインフレ目標達成の優先度は低いようだ。当局者は雇用と物価のバランスを取り戻すことに注力している。

 

【円高は4月の139円で終わったのか?】

この数ヶ月、日米金利差米ドル優位・円劣位縮小などの米ドル安・円高要因への反応の鈍さが目立っている。米ドル安・円高は4月に139円を記録したが、あれが米ドル安・円高の終わりだったのか、

ドルは、20247月の161円から、20254月には139円まで下落した。しかし20257月末には一時150円まで反発した。では20247月から展開した米ドル安・円高トレンドは、20254月の139円で早々と終わってしまったのか。

仮に、米ドル安・円高トレンドが4月の139円で終わったのであれば、円高トレンドは約9ヶ月続き、対円での米ドル最大下落率は13%程度だったということになる。1998年以降、おもな米ドル安・円高トレンドはこれまで5回あったが、その中で最短の継続期間は1年、そして米ドル下落率の最小は14%程度だった。その意味では、もしも4139円で今回の米ドル安・円高トレンドが終わっていたなら、これまでで最短、最小の米ドル安・円高トレンドにとどまったということになる

そうでないなら、今起こっている米ドル高・円安へ戻す動きはあくまで一時的に過ぎず、この先米ドル/円は改めて4月に記録した139円の安値更新に向かうという見通しになる。

 

【AI投資】

人工知能(AI)への熱狂が株式市場に奇妙な新しい数式を生み出している。巨額のAI投資計画が示されると、その支出額を上回る規模で企業の株式時価総額が膨らむという現象だ。 例えばエヌディビアは先々週、ライバルのインテルの株式50億ドル(約7400億円)相当を取得すると発表。さらに週明けには、生成AIChatGPTの開発元OpenAIに最大1000億ドルを投資する計画を明らかにした。こうした発表があった3営業日で、エヌビディアの時価総額は3200億ドル超増加し、投資予定額(1000億ドル)の3倍に相当した。

また、中国のアリババグループは、今年初めに500億ドルのAI投資計画を示していたが、それを上回る支出を行うと表明。米国預託証券(ADR)は24日に一時10%上昇した。同社は具体的な追加額は明らかにしなかった。通常、企業の大型投資計画は短期的に株価の支援材料とならないことが多い。しかし今回の動きは、投資家が依然としてAI関連銘柄に積極的であり、データセンターに巨額を投じて同分野の主導権を狙う企業の株式を買うことに満足していることを浮き彫りにした。AI投資のリターンを財務諸表で示すことができている企業はまだごく一部に過ぎないものの、市場はこれらの企業の時価総額を大幅に押し上げている。AIで主導権を握るには多額の投資が必要だと市場は確信している。こうした需要を真に満たす規模とインフラさえあれば、この機会から利益を得られると市場は信じているようだ。 今年に入り、AI投資計画を打ち出した他の大手ハイテク株も上昇している。メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムの4社は合計3170億ドル超の投資を表明。株価上昇により時価総額は計18000億ドル膨らんだ。これらの企業の株価上昇はS&P500 の今年の上昇分の大半を占める。

OpenAIやソフトバンクG、メタなどと提携し、業績見通しが堅調なオラクルもAI投資計画から恩恵を受けている。同社は2026会計年度に350億ドルの設備投資を行う見通しで、これを29会計年度までに650億ドルへと積み増す計画だ。株価は今年これまでに80%超上昇し、時価総額は約3900億ドル拡大した。

 

【AI巨額投資を巡り、莫大な資本破壊の危険性に警鐘する投資家】

ところが、人工知能(AI)に社会を変革する力があるとしても、前例のないAIインフラ巨額投資は莫大(ばくだい)な資本破壊を招く恐れがあると警告する運用会社もある。

25日、ニューヨーク証券取引所で行われた公開討論会で、アップルやメタ・プラットフォームズ、OpenAIといった企業全体で、データセンター構築などに兆ドル単位の極めて極端な投資が行われており、最終リターンの不確実性は高いという意見もあった。

AIについて現時点の強気予測を最終的に上回る成果を見込んでいるが、「年間1兆ドル(約149兆円)ないし5000億ドルの投資」が、資金を投じる会社に良い結果をもたらすか疑問という意見もある。

「惜しげもなく投じられる資金の額は非常に極端であり、理解するのが全く難しい。ゼロでないとは思うが、今のサイクルを通じて、膨大な資本破壊が起きる可能性は十分ある」というコメントが眼立つ。

OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は「そう遠くない将来」数兆ドル単位のインフラ投資を行いたい意向を示し、メタのマーク・ザッカーバーグCEOも数千億ドル単位のデータセンターへの投資に言及した。

結局、AIの長期的重要性と、当面の経済性との間に明確な一線を引いて区別すべき。今後多くのプロジェクトが出てくるだろうが、投資家は期待する利益が得られるとは限らないだろう。