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2025年09月15日

【Weekly No.501】ECBが金利据え置き、ラカルド総裁の発言は経済は良好

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  1. 【ECBが金利据え置き、ラカルド総裁の発言は経済は良好】
  2. 【一方、米国は9月に利下げ濃厚】
  3. 【日経平均が初の44000円超え】
  4. 【新規失業保険申請数でドル売られる】

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Weekly 915

【ECBが金利据え置き、ラカルド総裁の発言は経済は良好】

ECB(欧州中央銀行)は11日、予想通りに政策金利を2.0%に据え置いた上で、底堅い景気を背景に今年の成長率見通しを引き上げた。市場では、来年のインフレ率が目標値を下回るため追加緩和が必要になるとの見方が根強い。

ECBは6月以降、政策金利を2%で据え置いている。追加緩和の可能性も排除できないものの、ユーロ圏20カ国の経済は「良好な状態」にあるとの見方を示した。ECBは声明で、「理事会は適切な金融政策スタンス決定に向け、データ次第で会合ごとのアプローチをとる」とした。また、「理事会は中期的にインフレ率が2%の目標水準で安定することを確実にする決意だ」と指摘。今後の金利動向は何ら示唆せず「特定の金利経路に事前にコミットしない」とした。

ラガルドECB総裁も記者会見で「われわれは引き続き良好な状況にある」との認識を表明。インフレ率は「望ましい水準」にあるとし、域内経済は堅調で、米国との関税合意を受けて世界貿易を巡る不確実性は和らいだと述べた。

その上で、「われわれはあらかじめ決められた道を進んでいるわけではない」とも強調、ECBの決定は引き続き今後の経済データに依存するという文言を繰り返した。ECBの最新予測によると、2027年のインフレ率は1.9%、コアインフレ率は1.8%と、いずれも目標の2%を下回る見通し。これにより、追加緩和の議論は今後数カ月にわたり続くとみられる。

関係筋によると、 利下げ協議はまだ終わっていないものの、ECBが明確な方針を示すにはまだ数カ月かかる見込み。追加緩和が必要か否かに関する次の正式な議論は12月になる。

焦点は政策当局がリスクをどう見ているかにある。ラガルド総裁は記者会見で、6月に比べ「よりバランスが取れている」との見解を表明。「下振れリスクに関して、2点が明らかにレーダーから外れた。1つ目は欧州の報復リスク、2つ目は貿易を巡る不確実性だ」と述べた。

ただ、インフレ見通しについては依然として通常より不確実性が高いとした。追加緩和に反対するタカ派の理事会メンバーは、貿易摩擦に直面しても経済は予想外に耐性があり、好調な個人消費が経済成長を支えていると主張している。一方ハト派は、関税はまだ経済に完全には浸透しておらず、すでに低い成長率をさらに低下させ、消費を反転させる可能性があるとみている。FRB(米連邦準備理事会)による利下げがユーロ高を招き、物価への下押し圧力となる懸念もある。

ラガルド総裁は、関税やユーロ高による経済への逆風は来年には和らぐとの見方を示し、域内政府によるインフラ・防衛分野への「相当な」支出が予定されていることも指摘した。

こうした中、フランスの政局不安が国債利回りを急上昇させており、ECBにとって新たな課題となっている。ラガルド総裁は介入の可能性について問われ、「ユーロ圏の国債市場は秩序的に機能しており、流動性も確保されている」と応じた。

金融市場では現在、FRB(米連邦準備理事会)が2026年末までに6回の利下げを行うと予想されている一方、ECBが来春までに最後の利下げを行う確率はわずか40%と、今回の理事会の決定以前よりも低くなっている。

 

【一方、米国は9月に利下げ濃厚】

米国では基調的なインフレ率が8月に予想通りの上昇となった。一方、先週分の米新規失業保険申請件数は大幅に増加し、202110月以来、ほぼ4年ぶりの高水準となった。

8月の米CPI統計では前年同月比で2.9%上昇と市場予想と一致した。

先週の雇用統計発表前までは9月に利下げがあるかどうかが焦点だったが、今や9月に利下げがあるのは確実だとして、その後に何回利下げがあるかという議論に一気に移ったのは少々驚きでもある。

8月のCPIからインフレが比較的落ち着いていることが明らかになった。これにより、FRBは労働市場の軟化を食い止めることに、より重点を置けるようになる。今週に0.25ポイントの利下げが行われ、その後さらに年内2回、0.25ポイントずつの利下げが実施されるだろう。

現時点でインフレは重要な副次的テーマではあるが、主役は依然として労働市場だ。この日発表されたCPIは、前日のPPIを相殺するように見えるかもしれないが、雇用情勢の軟化という状況からFRBの目をそらすほど強い数字ではなかった。これは今週の利下げにつながる。さらにその後も利下げは続く可能性が高い。

FRBは今や、完全に身動きが取れなくなっている。パウエル議長は労働市場の明らかな減速に対抗するため利下げを断行しようとしているが、一方でFRBのもう一つの責務である物価の安定、つまり2%のインフレ目標を無視している。コアCPIはすでに4年半にわたり目標を大きく上回っており、今後もその傾向が強まっている。

 

【日経平均が初の44000円超え】

9月9日の東京株式市場で日経平均株価が続伸し、取引時間中として初めて4万4000円を上回った。石破茂首相が退陣を表明し、次期政権が大規模な経済対策を打つとの思惑や、前日8日の米株式相場が上昇したことも投資家心理を上向かせている。

日経平均はあっさりと上抜けた。ただ、自民党総裁選を前に、財政拡張の期待を高めすぎると肩透かしになるリスクがある。日経平均のPER(株価収益率)がこの時点では通常時よりかなり高い約18倍となっており、いいところまで上昇してきた印象がある。

昨年の総裁選で決選投票まで競った高市早苗前経済安全保障担当相はプライマリーバランス(基礎的財政収支)目標の凍結に言及したことがあるが、2%の物価目標を達成するまでとの主張だった。足元でインフレが3%になっている中で、以前と同様に金融緩和を主張するかはわからない。

政策がしっかり打たれれば名目GDP(国内総生産)は伸びるだろうから、長い目で見れば4万4000円は通過点といえる。ただ、足元では短期的な資金が入っているとみられる。何らかのきっかけで利益確定となれば1000円程度は下がる可能性がつきまといそうだ。

一番大きい上昇の要因は「石破政権が終わった」ということへの安心感だろう。日経平均は、昨年7月に42000円台をつけてから、その後1年間は高値を更新できなかったが、ようやく今年の夏にまた最高値を更新した。参院選で自民党がボロ負けして、その時から石破茂氏の退陣論が意識され、マーケットが走り出していた。

ただ、次の自民党総裁が誰になるのかまだはっきりと分からない中で、株価は大きく上昇している。目先は目標達成感から調整リスクに警戒した方が良いのではないか。

昨年と今年の違いとしては、自民党が少数与党となり、他の野党との連携がどうなるか分からない点があるほか、外部環境では米国の大幅利下げの可能性も出てきて、為替の動向も不透明だ。そうした中で日経平均は、バリュエーション面では説明がつかないほど上昇しているため、短期的には売りが出やすいとみている。

市場関係者は次の首相として、小泉進次郎農相と高市早苗前経済安全保障相が優位とみている。二人が掲げる政策は異なるものの、どちらが首相になったとしても、石破首相よりは上手い具合に挙党体制を築けるはずだという期待がある。

リスクはFRB(米連邦準備理事会)の利下げのタイミングとみている。景気がゆるやかに減速するところで利下げを実施するのが今のメインシナリオだが、市場予想以上の景気悪化や、トランプ関税を受けたインフレといった、明確な悪材料が出てきたら、株価にはマイナスに響いてしまうだろう。

 

【新規失業保険申請数でドル売られる】

12日朝の東京外国為替市場で円相場は1ドル=147円台前半と前日夕方から円高で推移。11日発表された米国新規失業保険申請件数労働市場が冷え込む可能性を示し、金利が低下したことがドル売りにつながった。

CPI(米消費者物価指数I)はおおむね予想通りだったが「引き続き労働市場は弱い」と市場は見ている。ただ、「インフレ圧力があることが示されており、今週のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見でハト派的な発言は期待できない」とし、ドル・円は146-148円程度を中心に方向感なく推移すると予想。

11日の海外市場で円は一時14817銭に下落。CPI結果を受けてドルが買われた。その後、新規失業保険申請件数がほぼ4年ぶりの高水準となるとドル売りが強まり、円は14699銭まで反発した。米10年国債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)低い4.02%程度で引けた。

今週はFOMCを除いて目立ったイベントがなく、1617日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちの雰囲気が強まる中、ドル・円は147円前後での推移が続きやすいのではないだろうか。