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2025年08月18日

【Weekly No.497】4-6月実質GDPは年率1%増、予想を上回る。

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  1. 【4-6月実質GDPは年率1%増、予想を上回る。】
  2. 【1-3月GDP上方修正】
  3. 関税の影響限定的】
  4. 【日本株の「ニューノーマル」(新常態)、PER20倍に拡大余地 名目成長率常翔など支え】

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Weekly 8月18

【4-6月実質GDPは年率1%増、予想を上回る。】

日本経済は4-6月期に5四半期連続のプラス成長となった。米国の関税措置発動後も輸出全体に与える影響は限定的で外需が伸びた。設備投資が内需を支えており、日本銀行の金融政策正常化を後押しする。

内閣府が15日発表したGDP(実質国内総生産)速報値は前期比年率1.0%増、前期比では0.3%増だった。市場予想はそれぞれ0.4%増、前期比0.1%増だった。個人消費は前期比0.2%増と前期から横ばい。設備投資はソフトウエアを中心に1.3%増加した。

輸出は2.0%増加。電子部品デバイスや自動車がけん引した。輸出から輸入(0.6%増)を差し引いた外需寄与度はプラス0.3%と2期ぶりのプラスとなった。

プラス成長の持続は追加利上げを模索する日銀にとって追い風となり得る。緩やかな景気回復を見込む日銀は、経済・物価見通しが実現していけば、利上げで緩和度合いを調整する方針を維持している。7月会合では、米経済の動向次第では「早ければ年内にも現状の様子見モードが解除できるかもしれない」との意見が出ていた。

米関税措置の下押し圧力が企業部門を中心に増してくる中でも、「日本経済は拡大は続けていく」と指摘。今回の結果は、7月の物価展望リポートの見通しに沿っており、「利上げに対してはポジティブ」との見方が大勢。

ブルームバーグが7月会合直後に実施したエコノミスト調査によると、次回利上げのタイミングについて、最多の4割超が10月会合を予想。米関税政策を巡る日米合意などを踏まえて、年内追加利上げの見方が増えている。

今回の結果が市場予想を上回ったことを受け、15日の外国為替市場の円相場は対ドルで上昇。一時14720銭まで上昇した。債券相場は売りが優勢。東京株式相場は反発し、日経平均株価は一時前日比0.9%高と、4万3000円台を回復した。

赤沢亮正経済再生担当相は、GDP発表後の談話で、景気の緩やかな回復を確認する結果となったと評価。先行きは春闘を受けた賃上げや最低賃金改定などが「緩やかな回復を支えることが期待される」とした。一方、米国の通商政策や物価上昇の継続による消費者マインドの下振れが景気の下押しリスクとなるとしている。 

 

【1-3月GDP上方修正】

改定値で年率0.2%減だった1-3月期が0.6%増のプラス成長に上方改定されたことで、日本経済は5期連続のプラス成長となった。内閣府によれば、1-3月期は輸出と個人消費、公的固定資本形成が引き上げられた。プラス成長の5期連続は、2016年7-9月期から18年4-6月期までの8期連続成長以来、最も長い。

 

関税の影響限定的】

米国は3月に鉄鋼とアルミニウム、4月に自動車、5月に自動車部品に対し25%の追加関税を賦課。鉄鋼・アルミは6月に50%に引き上げた。他の全ての品目も4月から一律10%関税を課している。対米輸出は全体の約2割で、このうち自動車・自動車部品は3割超を占めており、日本経済への影響が警戒されている。

財務省によると、対米輸出は金額ベースで5、6月に前年比11%減少したが、数量ベースでは1%台半ばの減少にとどまった。日本から米国に輸出された自動車1台当たりの単価は大幅に下落しており、競争力を維持するためにメーカー側が実質的にコストを負担しているとみられている。 

米国による関税措置の影響は今のところ限定的だった。ただ、物価高の影響などでGDPの過半を占める個人消費は力強さを欠き、米関税の影響は今後顕在化するとの見方もある。

内閣府は7日に公表した日本経済の年央試算で、米国の関税措置の影響や足元の物価高による影響を加味し、25年度の実質GDP成長率の見通しを前年比プラス0.7%に下方修正した。1月時点の見通しはプラス1.2%だった

 

【日本株の「ニューノーマル」(新常態)、PER20倍に拡大余地 名目成長率常翔など支え】

高値更新を続ける東京株式市場では、日経平均の予想PER(株価収益率)が17倍台半へと上昇、ここ数十年來の中心レンジの上限を上抜けてきた。割高感を指摘する声が多い中、市場では投資家の目線となってきたPERのレンジ自体が切り上がる「日本株のニューノーマル(新状態)」の局面に入ったとの見方が出ている。

最高値更新を続ける東京株式市場では、日経平均のPER(株価収益率)が17倍台半ばへと上昇、過去数年の中心レンジの上限を上抜けてきた。割高感を指摘する声が多い中、市場では投資家の目線となってきたPERのレンジ自体が切り上がる「日本株のニューノーマル(新常態)」の局面に入ったとの見方が出ている。名目成長率の上昇などを背景に、PERの上限は20倍程度まで拡大する余地があるとの指摘もある。

13日の東京株式市場で、日経平均は前日比556円50銭高の4万3274円67銭と前日に続き終値ベースの史上最高値を更新した。TOPIX(東証株価指数)も連日の最高値をつけた。

日経平均は6営業日で2900円を超す上昇となり、テクニカル面では短期的な過熱感を示唆するサインが出ている。過去数年、中心レンジ14-16倍程度で推移してきた日経平均のPER12日時点で17.54倍台へ切り上がっており、割高感を意識する声も聞かれる。

とりわけ12日から13日にかけての上昇は理屈を超えつつあり、行き過ぎているとの指摘もある。

<低EPS下の「ニューノーマル」>

一方で、長らく続いたデフレからの脱却や東証改革を発端とした企業の変革、アクティビストの台頭などにより、企業の成長期待が高まっており、「日本株がニューノーマルに入った」とみている投資家は多くなった。

日経平均は過去20年程度の常識では、日本株はPER17.5倍から18倍が上限と考えられてきた」と指摘。常識的にはEPS(1株当たり純利益)が改善しないと、それ以上の株価上昇は期待できないとの受け止めが市場にはある。

一方、足元のEPS2435円。7月末時点(2520円)に比べ切り下がっている中で、日経平均は上昇基調を維持している。

ところが、現在は海外勢を中心に「これまでとは違う世界に入ってきた」と認識する投資家も出始めたと指摘、欧米市場と比較して、日本のPER水準はまだ低いと見なされているという。

高PERの中での株高について「日銀はインフレが高止まりしても利上げできなくなっている。実質金利が深いマイナスを持続することを確認したうえで(株価は)上昇している印象がある」とみている。

実質金利が極めて低ければ、債券対比での魅力から、株価は多少割高でも選好されやすいとの見方のほか、実質金利が極めて低いことで、先行き円安が進んで高いPERが正当化されるとの見方が背景にある。

GDP(国内総生産)の名目成長率がプラスになっている足元と、名目成長率がゼロ付近だったバブル崩壊後の状況とは異なる。PER17倍台が「非常に割高」とはいえないとして「長期でみれば、PERのレンジが15から20倍程度へと切り上がる可能性はある。

ちなみに15日は日経平均729円高、PER 17.84で取引を終えた。