2026年02月16日
【Weekly No.522】1月の米CPI利下げを促す
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- 【 1月の米CPI利下げを促す】
- 【日経平均のボラティティ指数高止まり】
- 【高市総理の政策と評価】
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Weekly2月16日
【1月の米CPI利下げを促す】
消費者物価指数(CPI)は、前月比で緩やかな伸びにとどまった。市場には大幅に加速するとの見方も一部にあったが、それを打ち消す格好となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)による追加利下げ観測が強まった。
企業は年初に価格を引き上げる傾向があることから、1月のインフレ指標は近年強い数字となり、予想を上回ることも多かった。そうした背景から、多くのエコノミストはコアCPIがさらに大きく上振れる可能性を指摘していたほか、企業が関税関連コストを一段と消費者に転嫁するとの見方も出ていた。
CPI統計を受け、市場ではFOMCが年内に3回利下げするとの予想が強まった。
米国株は上げ下げを繰り返す展開となった。米国債利回りは低下。ドル・円相場は1ドル=152円台後半から153円台前半で推移した。
労働市場に安定化の兆しが見られる中、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は追加利下げに踏み切る前に、インフレ面でのさらなる進展を望んでいると考えられる。
今回の統計は前向きな内容だった。関税による価格上昇はデータにまだ完全には反映されていない可能性が高いが、この価格押し上げ要因は始まりよりも終わりに近づいている。
コアCPIの伸び加速は、航空運賃やパーソナルケア関連商品、娯楽用品、通信などでの上昇拡大を反映した。一方、中古車・トラックや自動車保険の価格は1月に下落した。
電気料金は低下し、ガソリン価格も約1年ぶりの大幅下落となったことで、日常的な支出の負担は一部軽減された。食品価格は7月以来の小幅な伸びにとどまった。
仮に1月のCPIが強い内容だったとしても、それを額面通りに受け取るべきではないと、われわれは注意喚起していただろう。だが今回の統計が例年の1月に比べてかなり落ち着いていたというのは、一定のシグナルだといえると指摘している。
その上で、「今後数カ月はディスインフレ圧力が優勢になるとみており、FOMCは今年、100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを行うと予想している」とリポートに記した。
エネルギーを除くサービス価格は0.4%上昇と、7月以来の大きな伸び。航空運賃は2022年半ば以来の大幅上昇となり、自動車レンタルや駐車料金などの伸びも目立った。FRBが注目する住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数は、1年ぶりの大幅な伸びとなった。
食品とエネルギーを除く財の価格は、2カ月連続で横ばいとなった。中古車価格は2年ぶりの大幅下落となり、新車価格は小幅な上昇にとどまった。一方、中古車を除くコアの財価格は約3年ぶりの大きな伸びとなった。
近年におけるインフレの主因の一つは、サービス分野の最大項目である住宅コストだ。住居費は前月比0.2%上昇と、9月以来の小幅な伸びだった。主要な住宅関連指標は落ち着いた動きを示し、ホテル宿泊費は下落した。
FRBは賃金の伸びにも注目している。経済の主な原動力である個人消費の見通しを占う材料になるためだ。13日に発表された別の統計では、インフレ調整後の実質平均時給は前年比1.2%上昇した。
インフレ調整後の実質平均週給は前年比1.9%上昇に加速し、約5年ぶりの高い伸びとなった。
今回のCPI統計では、労働統計局が新たな季節調整係数を導入し、過去5年分のデータが改定の対象となった。また、CPIを構成する各項目のウエートも見直された。
衆議院選挙の自民党大勝を受けた日本株の先高観は強い半面、オプション市場では急変動のリスクが警戒されている。高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」の具体像を見極めたいとの投資家心理を映し、相場の視界は良好でも油断できない「天気晴朗なれども波高し」の状況になってきた。
【日経平均のボラティティ指数高止まり】
オプション価格から算出し、投資家が予想する将来の価格変動の大きさを示す日経平均ボラティリティー指数は、衆院選明けとなった今週も高止まりが続く。予想変動率は大きなイベントをこなした後は低下することが多いが、同指数は35前後と選挙直前の39から若干下げた程度。水準は米S&P500種株価指数の予想変動率(VIX)の倍に近く、両者の開きは歴史的な大きさとなっている。
高水準の予想変動率の背景には、高市首相の高圧経済政策が債券市場の安定を損なわずに実現可能かどうか見通せないことがある。いま日本株市場に残る最大のリスクは債券市場の安定性だという声が多い。その点はどんな日本株の投資家も念頭に置いている。
選挙結果を受けて多くのアナリストが目標株価を引き上げるなど、日本株には強気ムードが広がるが、オプション市場では株式を売る権利であるプットの需要も強いと須田氏は指摘する。特に日本の財政悪化懸念から日本の債券市場が海外に比べても不安定との見方があると言う。
公的債務が国内総生産(GDP)の230%に達する中、高市政権が債務安定化への明確な道筋を示すことなく拡張財政を進めれば、国債発行が膨らみ需給が崩れるとの懸念から、国内債券相場は下落し、利回り上昇が続いていた。
債券利回りが上昇すると理論上、株式価値の計算に用いられる割引率も上昇し、株価の下押し要因となる。緩和的な金融環境が続く一方で財政拡大が加速すれば、円安圧力が強まりやすく、円相場の変動率上昇を通じて株式のリターンや投資家のポジションに影響を与える。新たな金融政策の下で本株の予想変動率は高止まりしやすい。
日経平均ボラティリティー指数の上昇には、日経平均が時価総額加重でないため、アドバンテストやソフトバンクグループなど値動きの大きい一部値がさ株の影響を受けやすいといったテクニカルな要因もある。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、日本株の先行きに強気の見方を示しつつ、バリュエーションも切り上がり、落ち着きどころも見えづらくなっている中で「相場は上下しながら適正水準を探っていくことになる」と予想している。
13日の日経平均株価は下落。人工知能(AI)への脅威を背景とした米ハイテク株急落の影響もあり、一時1000円近く下げる場面が見られた。
衆議院選挙で高市早苗首相が歴史的な勝利を収めた後、これまで日本にほとんど関心を払ってこなかった外国人を含む多くの人々が注目し始めている。
【高市総理の政策と評価】
海外の保守派は、主流とは見なされてこなかった人物がまた一人、権力の座に就いたと喜び、移民に対する揺るぎない反対姿勢が勝因だとみている。一方、リベラル派は、今回の勝利が日本の右傾化を示し、ひいてはファシズムへの一歩だと受け止めているようだ。
しかし、高市氏に関する多くの論評は現実とかけ離れている。彼女の勝利が歴史的であることは確かで、その圧勝ぶりと日本初の女性首相という点の双方において画期的だ。ただ、保守派やリベラル派が描きたがるような過激なスタンスとは程遠い。
高市氏が「外国人移民を大幅に制限し、期限切れビザ(査証)の保持者を例外なく強制送還するという公約」で総選挙に挑んだとX(旧ツイッター)に投稿した著名な保守派もいた。別のXユーザーは「日本は文字通りごくわずかな移民しか受け入れていない」のに「史上最も右寄りの選挙結果で応じた」と主張している。
だが、日本が移民受け入れを押し付けられ、その反動として外国人を拒む扇動者を支持したという見方は誤りだ。確かにここ数年、移民は日本の論点となっている。しかし、高市氏が外国人に対する右傾化を体現しているのではない。移民に関する同氏の立場は、国内で従来一般的だったスタンスにおおむね一致している。
日本は長らく大規模な移民受け入れに慎重だった。外国人労働者には日本語を学び、規則を守り、できれば永住者が過度に多くならないようにすることが求められてきた。
今は2つの点が変わった。ここ10年ほどで観光客と労働者の双方で外国人が急増したことと、高市氏がこの問題を議論する意思を示していることだ。同氏が政治の師と仰ぐ故安倍晋三元首相を含め、歴代のリーダーはこの問題への言及自体を避ける傾向があった。
高市氏の政策には外国人の居住者数を減らすとの記述はない。むしろ、今後数年で確実に増加する移民労働者を管理するため、秩序ある制度を構築することに焦点を絞っている。
不法残留者の強制送還や外国人による違法行為には「毅然と対応」する方針を掲げる一方、日本語教育や個別対応の福祉制度など、居住者が日本社会に溶け込む上で支援する施策も打ち出している。
中国を巡っても、台湾に関する発言で中国を「挑発」したあるいは「外交的対立を始めた」との見出しが定番となっている。ある著名な学者は彼女を「反中国」とまで評した。石破茂前首相よりも対中強硬であるのは事実だ。
中国に対し疑念を抱くのは「極右」に特有の立場ではない。中国と対峙することを主要政策の一つに掲げたバイデン前米大統領は「超保守」だったのだろうか。
国家安全保障で強い姿勢を示す政治家にこうしたレッテルを貼るのは、何十年も繰り返されてきた手法だ。
高市氏の外交政策は、同志国との協力や同盟の強化を強調している。高市氏を軍国主義者と描く中国の宣伝にくみしないアジアの国々が同氏の勝利を歓迎しているのはそのためだ。
米国で広がりつつある孤立主義とは対照的に、高市氏はウクライナへの「揺るぎない」支持を共有する欧州首脳により近い立場にある。同氏が首相就任後の早い段階での記者会見で、韓国の化粧品や韓流ドラマへの称賛を語ったのも印象的だった。これは日本の極右が言うようなことではない。
仮に高市氏が憲法改正という目標を実際に追求すれば、修正主義的とか軍国主義的といったレッテルはさらに増えるだろう。
しかし、同氏が「未来は与えられるものではなく、自らの手で切り拓くもの」と訴えるように、自らを助けようとしない国を助ける国はないという認識が世界で広く共有されつつある。
欧州の防衛費増額は、軍国主義だとの非難を招いていない。むしろ、極めて現実的な脅威への遅過ぎた対応だと受け止められている(ロシアが日本の隣国であることを忘れてはならない)。
また、改憲の願いは高市氏だけのものではない。左派寄りとおおむね見なされる石破氏も憲法改正を支持していたし、前任の岸田文雄元首相も同様だった。
社会問題では確かに保守寄りの姿勢を示しているが、それは日本の右傾化を意味しない。というのも、この国は長らくかなり保守的だったからだ。
ここ数日、有権者と話して高市氏の人気について分かったことは、変えるべき点を変えてくれるという期待だけでなく、守るべき部分を守ってくれるとの見方にも基づいているということだ。
高市氏を論じるなら、ありのままの姿を見て判断すべきだ。発言を注視し、さらに重要なのは実際の行動を見極めることだ。同氏ほど人気のある政治家であっても、行動は制度の制約を受ける。高市政権は確かに地殻変動に例えられる。しかし、その理由は多くの人々が考えるものとは必ずしも同じではない。