2026年02月02日
【Weekly No.520】FOMCが金利据え置き、経済見通しに「明確な改善」とパウエル議長
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- 【FOMCが金利据え置き、経済見通しに「明確な改善」とパウエル議長】
- 【ベッセント氏が「強いドル政策」強調、円買い介入観測を否定-円急落】
- 【ベッセント氏の発言を受けて円は急落】
- 【ドル売りに歯止め】
- 【日銀、政策金利0.75%で維持 26年度の経済・物価見通しを引き上げ】
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Weekly 2月2日
【FOMCが金利据え置き、経済見通しに「明確な改善」とパウエル議長】
米連邦公開市場委員会(FOMC)は27、28両日に開いた定例会合で、主要政策金利の据え置きを決定した。米経済の改善を指摘しつつ、今後の政策調整についてはより慎重な姿勢を示した。
FOMCは賛成10、反対2で据え置きを決定した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは3.5-3.75%。ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事とマイランFRB理事は0.25ポイントの利下げを主張し、反対票を投じた。
会合後に発表した声明では、当局者は「雇用の伸びは低いままで、失業率は安定化の兆しをいくらか示している」と指摘。過去3回の声明に盛り込まれていた、雇用に対する下振れリスクの高まりを示す文言は削除された。
トランプ政権からの利下げ圧力は強まっているものの、今回の労働市場に対する評価引き上げは、近い将来の利下げ観測を抑える要因となりそうだ。会合前の時点では、投資家は少なくとも6月までは追加利下げの可能性は低いとみていた。
FOMCの政策決定が発表された直後、外国為替市場では円が対ドルで下げ幅を拡大し、一時154円05銭を付けた。米国株市場でもS&P500種株価指数が下げ幅を拡大し、この日の安値圏となった後、下げ渋った。
パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、今後1年の米経済見通しに「明確な改善」が見られるとさらに強調した。
議長は「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」と述べた。
労働市場については安定化の兆しが見られるとの認識を改めて示した一方で、「過度に踏み込むべきではない」とも述べ、冷え込みが続いている兆候もあると指摘した。
またFOMCが再び利下げに踏み切るには何が必要になるかとの質問には、明確な回答を避けた。
パウエル氏は「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」と発言。「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」と述べた。
政策金利は2025年末にかけて3会合連続で引き下げられており、今回の据え置き決定は市場では広く予想されていた。12月に公表された金利予測によれば、大半の当局者は年内に追加利下げが行われるとみている。ただ高止まりするインフレへの懸念や、労働市場に安定の兆しが見られることを踏まえ、幾人かの当局者は最近、追加利下げの差し迫った必要性はないとの認識を示している。
声明では経済活動の拡大ペースを「堅調」と表現し、景気判断を上方修正した。昨年10月以降は「緩やかな」ペースとしていた。またインフレ上昇への言及を削除した。
インフレについて、パウエル議長はFRBが重視するコア価格指数の伸びが2025末に3%と、目標を1ポイント上回りそうだとしつつ、全体としては「やや前向き」な内容だと述べた。
ただ、「上振れの大半は財価格で起きており、関税に関連していると考える。最終的には、それらは一時的な価格上昇にとどまり、持続的なインフレにはつながらないとみている」と語った。
【ベッセント氏が「強いドル政策」強調、円買い介入観測を否定-円急落】
ベッセント米財務長官は28日、米国が外国為替市場でドル売り・円買い介入を検討しているとの観測を打ち消し、従来の「強いドル政策」を維持していると強調した。
CNBCとのインタビューで、ドル・円相場への米国の介入について質問され、「絶対にしていない」と答えた。そうした措置を取る可能性があるかとの質問に対しては、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」と語った。
発言を受け、円は対ドルで下げを拡大し、一時153円79銭をつけた。前週末23日には、米財務省の指示でニューヨーク連銀がドル・円相場についてレートチェックを行ったと伝わり、米国が日本政府と協調してドル売り・円買い介入に動くとの観測が強まっていた。
ベッセント氏は「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」と指摘。「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」と述べた。
【ベッセント氏の発言を受けて円は急落】
日中としては、円は対ドルで1カ月ぶり大幅安
前日には、トランプ米大統領が足元のドル下落について容認する姿勢を示していた。ドル安を懸念しているのかと記者団に問われたトランプ氏は、「いいや、素晴らしいと思う」と発言。さらに「ドルの価値については、われわれが行っているビジネスに目を向けてほしい。ドルは好調だ」とも述べた。 ベッセント氏は「トランプ大統領の下で『ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(大型減税・歳出法)』や規制政策を通じ、事業を立ち上げるのに最適で、かつ税制や規制、エネルギーに関する確実性を備えた環境を整えている」と語った。
また米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだとも指摘した。
【ドル売りに歯止め】
ベッセント氏の発言前、外国為替市場ではドル急落に備える動きが広がっていた。
トランプ氏の発言後、1.1%余り下落していたブルームバーグ・ドル・スポット指数はベッセント氏の発言を受けて持ち直し、ニューヨーク時間午前終盤時点で0.6%高で推移している。
DZバンクの為替・金融政策責任者のソーニャ・マーテン氏は「ベッセント氏は、神経質になっていた市場を落ち着かせようとしているように見える」と指摘。「米国が全体としてドルの弱含みを歓迎する可能性はあるものの、ドルの急激な下落は明らかに自国の利益にはならない」と述べた。
JPモルガン・チェースの為替ストラテジスト、パット・ロック氏は「ベッセント氏による非介入の発言は、さらなる口先介入や実弾介入そのものの可能性を排除するものではない」と指摘。「一方で、長期的には米国だけでなく日本を含む広範な国・地域において、適切なファンダメンタルズを整えることが外国為替市場にとって重要だとの中核的な立場を改めて示した」と述べた。
一方、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのマーケット戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は「円相場の大局的な見通しは、介入の有無にかかわらず強気だ」と指摘。「成長率が借り入れコストを十分に上回っていることを踏まえると、日本の放漫財政を懸念する声は行き過ぎだ」と述べた。
【日銀、政策金利0.75%で維持 26年度の経済・物価見通しを引き上げ】
日銀は「経済展望リポート」で、2025年度と26年度の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げた一方、27年度を引き下げた。 日銀は金融政策決定会合で、政策金利である無担保コールレート翌日物の誘導目標を0.75%で据え置くことを賛成多数で決めた。経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2026年度の実質国内総生産(GDP)と生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の見通しを引き上げた。実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえ、経済・物価の見通しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていくと改めて表明した。
金融政策の現状維持は賛成8対反対1。反対は高田創審議委員で、1%に利上げする議案を提出したが、反対多数で否決された。高田委員は、物価目標はおおむね達成されており海外経済が回復局面にある下で「国内物価の上振れリスクが高い」と主張した。
日銀は展望リポートで、基調的な物価上昇率について、27年度を最終年度とする見通し期間の後半に物価目標と整合的な水準で推移するとの見通しを再確認した。
政府の経済対策の効果などを踏まえ、26年度の実質GDPの見通しは前年度比1.0%増に引き上げた。コアCPIは前回の昨年10月の1.8%上昇から1.9%上昇に引き上げた。
コアCPIは、コメなどの食料品価格上昇の影響が減衰していく下で政府の物価高対策の効果もあり、「本年前半には2%を下回る水準までプラス幅を縮小していく」ものの、この間も賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、基調的な物価上昇率は「緩やかな上昇が続く」とした。
リスク要因として、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向、企業の賃金・価格設定行動、金融・為替市場の動向などを挙げ「それらのわが国経済・物価への影響については十分注視する必要がある」と指摘した。
展望リポートでは、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)について、2026年度を前年度比1.9%上昇とし、10月リポートの1.8%上昇から上方修正。エネルギーも除いたコアコアCPIは全ての見通し年度で引き上げた。リスクバランスは「おおむね上下にバランスしている」との判断を維持した。
先月の利上げ以降も為替相場の円安傾向が続く中、高市早苗首相が19日の会見で食料品の消費税率0%に言及したことなどを受け、財政拡張懸念から長期金利も上昇している。植田和男総裁が午後の会見で、利上げパス(経路)や市場動向に関してどのような見解を示すか注目される。