2026年01月27日
【Weekly No.519】日銀、政策金利0.75%で維持 26年度の経済・物価見通しを引き上げ
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- 【日銀、政策金利0.75%で維持 26年度の経済・物価見通しを引き上げ】
- 【円が1ドル155円台に急伸、NY連銀がレートチェック実施と市場関係者】
- 【反自民だけの新党なら支持広がらず-中道か「凡庸」か有権者見極め】
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Weekly 1月27日
【日銀、政策金利0.75%で維持 26年度の経済・物価見通しを引き上げ】
日銀は「経済展望リポート」で、2025年度と26年度の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げた一方、27年度を引き下げた。 日銀は金融政策決定会合で、政策金利である無担保コールレート翌日物の誘導目標を0.75%で据え置くことを賛成多数で決めた。経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2026年度の実質国内総生産(GDP)と生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の見通しを引き上げた。実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえ、経済・物価の見通しが実現していけば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていくと改めて表明した。
金融政策の現状維持は賛成8対反対1。反対は高田創審議委員で、1%に利上げする議案を提出したが、反対多数で否決された。高田委員は、物価目標はおおむね達成されており海外経済が回復局面にある下で「国内物価の上振れリスクが高い」と主張した。
日銀は展望リポートで、基調的な物価上昇率について、27年度を最終年度とする見通し期間の後半に物価目標と整合的な水準で推移するとの見通しを再確認した。
政府の経済対策の効果などを踏まえ、26年度の実質GDPの見通しは前年度比1.0%増に引き上げた。コアCPIは前回の昨年10月の1.8%上昇から1.9%上昇に引き上げた。
コアCPIは、コメなどの食料品価格上昇の影響が減衰していく下で政府の物価高対策の効果もあり、「本年前半には2%を下回る水準までプラス幅を縮小していく」ものの、この間も賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、基調的な物価上昇率は「緩やかな上昇が続く」とした。
リスク要因として、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向、企業の賃金・価格設定行動、金融・為替市場の動向などを挙げ「それらのわが国経済・物価への影響については十分注視する必要がある」と指摘した。
展望リポートでは、消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)について、2026年度を前年度比1.9%上昇とし、10月リポートの1.8%上昇から上方修正。エネルギーも除いたコアコアCPIは全ての見通し年度で引き上げた。リスクバランスは「おおむね上下にバランスしている」との判断を維持した。
先月の利上げ以降も為替相場の円安傾向が続く中、高市早苗首相が19日の会見で食料品の消費税率0%に言及したことなどを受け、財政拡張懸念から長期金利も上昇している。植田和男総裁が午後の会見で、利上げパス(経路)や市場動向に関してどのような見解を示すか注目される。
27,28日は米金利政策が決まるFOMCが開催される。
【円が1ドル155円台に急伸、NY連銀がレートチェック実施と市場関係者】
ニューヨーク時間23日の外国為替市場で、円が対ドルで急騰し、1日としては約6カ月ぶりの大幅上昇を記録した。日本当局が通貨安の進行を食い止めるため、市場介入に踏み切る構えだとの警戒感が広がった。
市場関係者によると、ニューヨーク連銀が主要銀行に対し、参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施。同連銀が市場介入を支援する準備を進めているのではないかと受け止められた。ニューヨーク連銀の担当者は、現時点でコメントを出していない。
円は一時、前日NY終値比で1.7%上昇し、155円69銭と年初来高値を更新した。上昇率は昨年8月1日以来の大きさ。
米連邦準備制度理事会(FRB)が午前11時頃、ドル・円市場でレートチェックを行ったと聞いている。これが円高・ドル安の動きを加速させたようだ。
過去の例では、レートチェックが必ずしも介入が差し迫っていることを意味しない点にも留意することが重要だ。ただ、ニューヨーク連銀がレートチェックを行っていたという事実は、仮にドル・円への介入が行われるとしても、単独介入にはならないことを示唆している」と述べた。
この日の円急伸は、欧州市場が終了し、取引の主戦場が米国へ完全に移ったタイミングで起きた。前回の介入を思い起こさせる不気味な動きだ」と指摘されている。金曜午後で流動性が乏しく、市場はこれに逆らいたくないのだろう。
米国が打ち出す予測不能な政策が重しとなり、この日のニューヨーク市場ではドル指数が下落。円はそうした中で急伸した。
クレディ・アグリコルのストラテジスト、ヴァレンティン・マリノフ氏は円相場について、「この日の値動きは、介入警戒感によって、円を調達資金とするキャリートレードへの意欲が損なわれたことを示唆しているようだ」と述べた。
23日に行われた日本銀行の植田和男総裁の記者会見後は円売りが優勢で、14日以来の159円台に下落していた。
東京時間金曜日夕方の2円近くの円急上昇について、マリノフ氏は、過去に当局が介入を行った水準に非常に近いところで市場がいかに神経質になっているかを示していると指摘。当局の正式な介入に向けた初期段階にあると結論付けたくなると語っていた。
片山さつき財務相は23日、為替介入の可能性について問われ、「お答えできない」と同省内で記者団に話した。為替市場について「常に緊張感持って見守っている」とも発言した。
日銀の植田総裁は同日の会見で、次の利上げ時期について問われ、4月は相対的に価格改定の頻度が高い月だとし、「そこにある程度の関心を持っていることは事実」と述べた。
高市早苗政権の積極財政路線を背景に、今年に入り円は対ドルで一時159円45銭と2024年7月以来の安値を更新。その後円安の勢いはやや弱まっていたが、衆院が解散・総選挙となり、与野党共に消費税の軽減税率引き下げを打ち出していることで今週に入り再度円安傾向となっていた。
大口のドル売りフローが出たのではないかとも推測されている。「当局の口先介入のようなニュースヘッドラインもなく、実弾の売りはいきなり出ないだろうし、レートチェックでもないのではないか」との見方を示した。
【反自民だけの新党なら支持広がらず-中道か「凡庸」か有権者見極め】
今回の衆院選が日本政治の革命的瞬間になるとは考えにくい理由は多い。
高市首相は、全てがうまくかみ合ってきたと感じていたに違いない。
高市氏は先週、SNSで存在感を放った。韓国の李在明大統領とドラムを打ち合い、その後はイタリアのメローニ首相とのアニメの自撮りを披露した。その一方で、世論調査の数字から圧勝しかねないともみられていた総選挙に打って出る構想も練っていた。
だが、因縁の相手が報復に動く可能性までは織り込んでいなかったかもしれない。高市氏が自民党総裁に就いた後、数十年続いた連立を解消した友党、公明党が、最大野党である立憲民主党との合流を発表したのだ。
この決定は、選挙日程が決まる前から選挙戦を活気づけた。「中道改革連合」と名乗るこの新党は、自民に対する長年の対抗軸と、強力な集票マシンを結び付けた。
公明は、全国の選挙区でボランティアを動員できる仏教団体の創価学会が母体だ。
歴代の自民党総裁にとって、公明を通じた票固めはありがたかった。眉に唾を付けたくなるような不完全な分析ながら、かつて与党に流れていた公明票全てが立民に向かっていれば、野党が与党の権力掌握を崩せた可能性があるとの見方まで取り沙汰されている。
とはいえ、選挙結果について語るのはまだ早い。高市氏は19日、衆議院を23日に解散し、来月8日投開票の総選挙(1月27日公示)実施を正式に発表し、ようやく号砲を鳴らした。しかし、これが日本政治の革命的瞬間になるとは考えにくい理由は多い。
中道は、有権者に対し、単なる看板替えではないことを示すため、やるべきことが山積している。立民の源流は民主党にさかのぼり、2000年代に多くを約束しながら、いざ政権に就くと権力を浪費した。その後も、名称やロゴを変えつつ、顔ぶれや政策は似通ったまま、目立った実績を残せずに漂流してきた。
新しい野党には、新しい政策が必要だ。立民の前身勢力は、しばしば自民にご都合主義的に対抗し、時には対抗すること自体が目的のようだった。
原子力発電所の全廃を掲げ、防衛態勢を強化する法改正を拒み、中国に対しても極めてハト派だった。歴史はこうした立場に優しくなかった。新党は少なくともその点を認識しているようで、原発全廃の公約から後退し、「憲法改正議論の深化」を求めている。ただし、それだけでは明確なビジョンの代わりにはならない。
人材の問題もある。中道共同代表である立民の野田佳彦氏と公明の斉藤鉄夫氏はいずれも政治のベテランだ。
民主党政権時代に首相を務めた野田氏は、昨年の参議院選で自民が歴史的敗北を喫した際にも、党の議席を一つも上積みできなかった。2012年に消費税率引き上げの実施に政治生命を懸けた当人が、今になって消費税減税を掲げて選挙戦を戦うのは、ちぐはぐでもある。
一方、公明の支持率は、創価学会の会員数減少に伴い長年落ち込んできた。野田氏が公明そして宗教団体と結び付いた集票マシンを受け入れるスタンスは、自民に対する野党側の有力な批判点の一つ、つまり統一教会に頼って票を集めてきた自民の構造を突く力を弱める。
追い打ちをかけるように、高市氏はすでに、食料品に対する消費税の時限的な引き下げ案を打ち出し、主要な争点を中道から奪おうとしている。
これは思慮に欠ける日和見的な案だが、高市氏が以前も食料品の消費減税を主張してきたことを考えれば驚きではない。遺民政策を巡る右派的な論点も取り込む高市氏に対抗する代替政策案が際立つ余地はいっそう狭まっている。
野党が対峙する首相は、ここ数年の日本で最もメディア対応がうまく、人気のある政治家の一人だが、今の有権者には中道・中道左派を受け入れる余地はある。たとえ高市氏が権力を失うリスクを示すだけであっても、与党を律する強力な対抗軸は歓迎されるだろう。
だが、中道は、前身の勢力ができなかったことを成し遂げ、単なる反自民と景気を良くするとの曖昧な約束を超える説得力ある代替ビジョンを示さなければならない。さもなければ、特に若い有権者からは、中道というより、単に「凡庸」と見なされるリスクがある。